阿弥陀如来の脇侍として祀られる観音菩薩(向かって右)と勢至菩薩(同左)は、それぞれ阿弥陀如来の慈悲と智慧の象徴です。
身体をひねり片足を上げる独特の姿勢は仏画を含む仏教美術における菩薩のポージングとしては唯一無二のもの。わずかに首をかしげる仕草とも相まって、軽やかでかわいらしい印象を与えます。
舞い踊るような姿から奏楽、または供養菩薩とみられ、本来は雲中供養菩薩のような群像だったのではないかとも推測されています。

智慧の光で六道に迷う衆生を照らし救いの道を示す菩薩。来迎の際は観音菩薩が蓮台に載せて運ぶ魂に合掌します。
※来迎:往生の際に阿弥陀如来が観音とともに迎えに現れ、極楽浄土へ連れて行くこと
サイズ:約170(H)×65(W)×66(D)mm 175g

慈悲を司り、衆生を教化する役割を持つ菩薩。多くは独尊で祀られますが、阿弥陀三尊として祀られる際は来迎を意味し、往生するものの魂を蓮台に載せて運ぶ役割を担います。両手のひらの上にはかつて蓮台があったと見られています。
サイズ:約175(H)×65(W)×65(D)mm 175g
観音菩薩・勢至菩薩
その魅力
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c1.jpg)
足を上げるポーズが最も特徴的。両像ともに中央側の足を上げるのは、真ん中にいる中尊・阿弥陀如来に足の裏を向けないためでしょうか
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c2.jpg)
極楽へ向かう魂に合掌を捧げる勢至菩薩
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c3.jpg)
魂を載せた蓮台を捧げ持っていたとみられます
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c4.jpg)
年輪の出たような木目で覆われています
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c5.jpg)
まっすぐな木目が浮き出ています
![TanaCOCORO[掌] 勢至菩薩 観音菩薩](https://ssl.isumu.jp/img/tc3746/lp-c6.jpg)
観音像の彫刻は勢至像に比べてエッジが立っているところもしっかりと再現しています