イスムのTanaCOCORO[掌]ラインに木彫像がラインナップ! あたたかでやわらかな木の存在感を、イスムの造形でお届けします。
イスムの木彫ライン「TanaCOCORO[掌] WOOD」は、親しみやすく素朴な風合いの逸品を、木彫でお届けするシリーズです。
木喰上人作の阿弥陀如来と大日如来をモデルとした第一弾に続き、私たちの日々の暮らしの中でもなじみ深い獅子と狛犬が登場します。
世界にルーツを持つ獅子と狛犬
聖域守護と権威の象徴
私たちが「狛犬」と呼び親しんでいる一対の像は、厳密には「獅子」と「狛犬」に分けられます。古代のインドや中国では、守護獣または王家などの権威の象徴として、宮殿や陵墓の前にライオンに似た動物を飾る習わしがありました。これが一対の獅子として仏教とともに日本へと伝えられましたが、獅子のうちの一方に中国の想像上の聖獣が取り入れられ、平安時代には「獅子と狛犬」という組み合わせが生まれます。
当作品のモデルは鎌倉時代の嘉禄元(1225)年に、僧侶行寛によって安置された重文像で、運慶の実子・湛慶、またはその工房によって造られたとみられます。
平安期にはその性質から謹厳・獰猛な姿だった獅子と狛犬は、時代が下り鎌倉時代になると、仏像と同じく自由な動きの表現が模索され、より親しみやすい作品が多く造られます。この像はその流れのひとつの到達点として紹介される傑作です。
鎌倉期の
自由闊達な雰囲気を持つ、
愛くるしい二体
獅子
ライオンにルーツを持つ獅子は、古くから洋の東西を問わず聖獣として祀られます。獅子と狛犬の像例では右側に配され、開口する「阿形」で表されます。
口を開け咆哮するような獅子。日本的なおだやかな表情がみられる。
豊かなたてがみと躍動的な筋肉表現は、湛慶作と目される根拠のひとつ。
狛犬
中国の聖獣「兕(じ)」が取り入れられたとみられる狛犬は、頭上の角が特徴。獅子と狛犬の像例では左側に配され、閉口する「吽形」で表されます。
牙を覗かせながら閉口する狛犬。目までつむるような表現が愛らしい。
子犬のように親しみやすい造形は、鎌倉期の狛犬ならでは。