八部衆で唯一甲冑を身に着けない三面六臂の美少年。憂いのある端正な顔立ちは、一歳で亡くなった光明皇后の子 基王子の面影を投影したとも言われる。

八尊の中でもっとも幼い雰囲気で、表情は敬虔な信仰を示す。「天竜八部衆」ではニシキヘビを神格化した摩?羅伽にあたるとみられる。
　

澄んだ瞳の凛々しい表情は、どこか不安げにも見える表情。「天竜八部衆」の天にあたり、浄居天に住む。　　　（「TanaCOCORO[掌] 五部浄」とはサイズが異なる新造形です。）

目尻に皺ができるほど強く目を閉じ、何かに耐えるよう。仏教では帝釈天に仕え天上で音楽を奏でる神。
　

眉に力を入れ前方を見据える一角三眼の青年像。古代インドでは半人半獣の神で楽器を奏でる夫婦の姿で描かれる。
　

髭をたくわえた威厳ある姿が他の八部衆とは一線を画す。もとは大蛇を神格化した竜王として造型されたとみられる。
　

逆立つ炎髪と開いた口からのぞく歯が示す強い憤怒の表情。インド神話の悪鬼が善神となったもので「天竜八部衆」の夜叉にあたる。
　

鋭くこちらを凝視する鳥頭人身の異形。竜を好んで食べるインド神話の霊鳥、ガルダ（金翅鳥）に由来する。