2022年秋、長野県諏訪地域で「諏訪神仏プロジェクト」が開催され、明治政府による神仏判然令以降別々の道を歩んできた神道と仏教が、150年もの時を経て再会しました。

これを記念しイスムでは、佛法紹隆寺が所蔵する神仏習合の象徴とも言える「普賢菩薩騎象像」を、数量限定のTanaCOCORO[掌]サイズで製品化いたします。
どこかユーモラスな雰囲気の象と、その上でやわらかな微笑みを浮かべる普賢菩薩の組み合わせが醸し出す不思議な魅力をお楽しみください。

鼈澤荘厳山 大虚空蔵院
 佛法紹隆寺 

大同元(806)年、時の征夷大将軍 坂上田村麿が諏訪大明神へ戦勝報告をした際に開基されたと伝わる古刹。諏訪高島藩主の祈願寺、また真言宗の談林寺(学問と修行の道場)として栄える一方で、諏訪信仰と深い関わりを持ってきました。
かつては諏訪上社社務(別当)を務め、神仏分離の折には諏訪大社と共にあった神宮寺の伽藍再興にも尽力。所蔵する普賢菩薩騎象像は、もともと諏訪大明神として諏訪上社神宮寺に祀られていた本地仏で、明治元(1868)年、神仏判然令が出された際、仏法紹隆寺へと移管されました。

諏訪大明神の本地仏、
普賢菩薩像

TanaCOCORO[掌] 普賢菩薩騎象像

明治元年まで諏訪大明神の本地仏として諏訪上社神宮寺に祀られていたという普賢菩薩騎象像。
もともと鎌倉時代に造られたものですが、後年、諏訪の地に攻め入った織田信長が、諏訪大明神の力を恐れて上の菩薩の部分を破壊しました。
その後新造されたのが現在の菩薩像で、慶派の康俊という仏師の作であることが分かっています。

三日月のような目が印象的な象は造像当時のもので、太い足でしっかりと大地を踏みしめる安定感を与えます。
その象の上に咲く蓮華に結跏趺坐する普賢菩薩像は、静かに合掌をしながらつぶらな瞳でこちらを見据えます。
長年にわたって諏訪の地の信仰を一身に背負う由緒ある美仏です。

細部へのこだわり

わずか1センチほどの小さな顔の中に手描きでヒゲまで再現

文禄年間に造り直されたという菩薩部は、象と比べきれいな仕上げ

TanaCOCORO[掌]のラインナップでも最長の奥行を持つ象の体躯

ユーモラスな雰囲気を持つ象。頭上に載せるのは宝珠

大きく開けた口の中には歯が並び、左右3本ずつの牙が前を向く

鎌倉時代の作となる象部に目立つ経年変化をしっかりと表現

「神仏習合」とは

諏訪神仏プロジェクト公式アンバサダー
 田中ひろみ 
田中ひろみ 普賢菩薩騎象像

日本は古くから、神様や神が宿る岩や滝などを信仰する神道を信仰していました。そこに仏様を信仰する仏教が6世紀半ごろに伝わって、神道と仏教が融合して共に信仰する考え方の「神仏習合」が生まれました。
その「神仏習合」の考え方の一つで、命あるもの全てを救うために本来の姿である仏様が仮に日本の神様の姿となって現れるとする「本地垂迹説」が、奈良時代に成立し平安時代に発展していきました。「権現」の「権」とは「仮り」にという意味で、仏様が仮りに神様の姿で現れたことを示します。鎌倉時代中期になると、その逆で本来の姿の神様が仮りに仏様の姿で現れるのが「反本地垂迹説(神本仏迹説)」です。「明神」は、仏教的な神様の称号です。
佛法紹隆寺の普賢菩薩像は、諏訪大明神が仮りに普賢菩薩の姿になって現れたことを示すお像です。ですので、見た目は普賢菩薩ですが、諏訪大明神そのものとして信仰されてきました。神仏習合を伝える貴重なお像です。
 
イラスト・文 田中ひろみ
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製品情報

TanaCOCORO[掌] 普賢菩薩騎象像

TanaCOCORO[掌]
ふげんぼさつきぞうぞう

普賢菩薩騎象像

34,000円(税込)
限定300体

好評発売中

素材:ポリストーン
サイズ: 約165(H)×60(W)×155(D)mm 410g
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文化財修復へ向けて

当製品の売上の一部は、佛法紹隆寺所蔵の掛軸「星供曼荼羅(ほしくまんだら)」の修復費用に充てられます。
諏訪高島藩主のご祈祷に使われていたもので、北斗七星を本尊に、星座なども描かれる貴重な曼荼羅です。