イスムでもトップクラスの人気を誇る「阿修羅」と「毘沙門天」に続くS-Classシリーズ第三弾「兜跋毘沙門天」は、京都 東寺の宝物館に所蔵される国宝像がモデルです。
平安京正門の楼閣に祀られていたと伝わる像で、腰高でスタイリッシュなポーズと、強く異国を感じさせるエキゾチックな表情、そして地天女が差し出す両手のひらの上に立つという独特の造型は、一度目にしたら忘れないインパクトを放ちます。
迫力のサイズで、より精密なディテール表現と究極の先を行く圧倒的臨場感を追究したイスムの最上位ライン「S-Class」。‘S’は「Superior(上質な、上等の)」を意味します。
唐の玄宗皇帝の時代、西域の安西城が異民族に襲撃された時、城門の上に毘沙門天が現れこれを退散させたという伝説に基づき、国家鎮護の守護神として信仰を集めた兜跋毘沙門天。
東寺の歴史や寺宝を記した『東宝記(とうぼうき)』には、唐から請来され平安京の羅城門に安置された兜跋毘沙門天が、大風で門が倒れた際に東寺へ移されたと記録されているものの、真相は今なお謎に包まれているなど雄大な歴史ロマンを感じさせます。
こだわりの細部
兜跋毘沙門天と毘沙門天
「兜跋毘沙門天」は、西域風の特徴を持った毘沙門天の一異形像です。邪鬼の上に立つ一般的な毘沙門天像とは異なり、金鎖甲という鎖をつないだ丈の長い鎧を身に着け、地天女が差し出す両手のひらの上に足を乗せて立つ独特のポーズをしています。
謎多き守護神
「兜跋」は「吐蕃(=チベット)」、または「吐魯番(=トルファン)」など唐から見た西域を表す言葉に由来するとみられますが、中国では毘沙門天を示す言葉に「兜跋」は使われておらず、謎のひとつとなっています。しかし入唐僧らによる請来像であることはほぼ間違いなく、京都や奈良には東寺像をモデルとした模刻の作例が多く伝わっています。