

「イスム 大日如来」(販売終了)と「TanaCOCORO[掌] 大日如来」のモデル像を所蔵する、奈良県は奈良市忍辱山(にんにくせん)町の円成寺を訪ねました。 柳生の里 に静かに佇む忍辱山 円成寺。国宝の大日如来像をはじめ、名刹が誇る文化財の数々や美しい庭園を、時間の許すかぎり堪能してまいりました。

緑豊かな里山に囲まれた名刹 円成寺はしかし、JR奈良駅からバス1本と交通の便が良く、関東在住でも新幹線を使えば日帰り(ただし早朝出発!)でも余裕をもって拝観することができます。バスの路線もJR奈良駅とお寺前を結び、長い道のりを歩く必要がありません。

ご存知のとおり奈良駅周辺は歴史遺産の宝庫です。円成寺が奈良駅から近いこともあり、その気になれば日帰りで複数の遺産を巡ることさえ出来てしまいます。この地で遺産三昧の毎日を送れたら、なんと幸せなことでしょうか!

山中にあるバス停で降り道沿いにある小さな門をくぐると、もうそこは円成寺の敷地です。大きな池と楼門がおりなす風景は、水墨画を思わせる端正なもので、一目で名勝庭園の誉れも納得。なお、この美しい楼門は貴重な重要文化財でもあるため、門をくぐって本堂へ向かう事は叶いません。
にんにくせん えんじょうじ
忍辱山 円成寺

「国宝 運慶作 大日如来坐像」は、かつてはこちらの本堂(上画像)に納められていました。重要文化財に指定される本堂は、室町時代に建てられた春日造社殿両庇付寝 殿造という様式によるもので、仏堂としては非常に珍しいもの。現在の本堂には、本尊阿弥陀如来坐像と四天王立像、そして開山当初の本尊とされる十一面観音立像など、貴重な寺宝が安置されています。
国宝 運慶作 大日如来坐像

国宝 大日如来坐像は、大仏師・運慶が20代の頃に制作したデビュー作として名高い傑作です。
台座の裏には造像に11カ月もの期間を費やしたことが記され、若き日の運慶がこの像にかけた思いの丈をうかがい知ることが出来ます。
現在は、新設された相應殿(そうおうでん)に、四天王立像とともに安置されている大日如来坐像。様ざまな方向から鑑賞できるよう配慮されているので、運慶最初期の傑作を心行くまで堪能することができます。
多宝塔
この大日如来像は、かつて多宝塔に安置されていました。後白河法皇によって寄進されたという多宝塔は大正期に鎌倉へ移譲されており、現在境内にある多宝塔は平成2年に再建されたものです。 仏絵師 中村幸真によって復元彩色された荘厳なる堂内に安置された大日如来坐像を窺うと、その静かな厳しさを持つ眼差しを感じられます。

当時の美しい姿をみせる多宝塔

製品情報
円成寺へのアクセス
公共交通機関
・JR・近鉄奈良駅下車 柳生、邑地中村、石打行きバス乗車~忍辱山バス停下車すぐ
自家用車
・大阪方面から
阪奈道路 宝来I.C.~ 奈良駅 ~ 柳生街道.~ 円成寺(宝来I.C.から約30分)
・京都方面から
京奈和道路 木津I.C.~ 柳生街道.~ 円成寺(木津I.C.から約30分)