イスムこだわりの造型
気品と厳しさを湛える大きく明快な目鼻立ちが、異国情緒を感じさせる。
不思議な印象を醸す長い右手は、仏の三十二相の正立手摩膝相を表す。
薄い天衣が翻る様が前方からの風を感じさせる、彫刻として珍しい表現。
檀像風彫刻の美しい木目を、一本一本緻密な筋彫りで表現。
右足の親指と呼応するかのように、指をピンと反らす。
親指が上向き蓮台から踏み出さんとする右足は救いへの一歩を表す。
未開敷蓮華と葉が放射状に並ぶ光背。独特で優美な存在感を放つ。
衣の皺が軽快なリズムを刻む翻波式衣文もひとつずつ丁寧に再現。
丸い敷茄子ではなく蓮華の茎が立ち上がる台座は、像全体に繊細さをもたらす。
光明皇后ゆかりの国宝像
古来「光明皇后が蓮池を渡る姿を模した像」と伝わりますが、江戸時代に記された『興福寺濫觴記(こうふくじらんしょうき)』には次のような描写があります。
――ガンダーラの見生王が生身の観世音に会いたくて祈ると、日本国の光明皇后を拝みなさいというお告げがあった。見生王は問答師という彫刻師を日本へ遣わし、皇后の姿を模して3体の十一面観音像を造り、1体を持ち帰らせた――。
他にも皇后自身がこの像を制作したという説があるなど、いずれにしても慈悲の深さで名高い光明皇后と密接につながる像です。
木目の美しい檀像風彫刻の傑作
像の伝来についての詳細は不明ですが、建保4(1216)年頃に記された『諸寺建立次第』に金堂の大日如来の背後に安置されるとの記載があることから、慶長6(1601)年の本堂再建時に本尊とされたと考えられています。
哲学者で文化史家の和辻哲郎は著書『古寺巡礼』の中で、「その美しさは、天平の観音のいずれにも見られないような一種隠微な蠱惑力を印象する」と、この像を称賛しています。
製品情報
じゅういちめんかんのん~れんげ~
十一面観音~蓮華~
100体限定復刻
105,000円(税込)
当製品は取り扱いを終了いたしました
在庫につきましてはお客様サポートへ
お問い合わせください
素材:ポリストーン
サイズ:(約)365(H)×165(W)×155(D)mm 1.5kg