「浄瑠璃寺×イスム プロジェクト」第二弾を飾るのは、浄瑠璃寺三重塔(国宝)の本尊で重要文化財に指定される木造 薬師如来坐像をスタンダードサイズで再現した「イスム 薬師如来坐像 浄瑠璃寺」です。
モデル像は永承2(1047)年、浄瑠璃寺創建時の本尊で、大きな白毫と、鮮やかな朱の唇が印象的な秘仏です。
過去と現在を司る薬師如来
浄瑠璃寺の伽藍は、中央に大きな池を挟んで東に薬師如来の三重塔、西に阿弥陀如来の本堂が配置されています。
日が昇る東は生命の生まれるところ。薬師如来は「東方薬師瑠璃光浄土」という清浄な世界からこの世へ向けて、私たちを生命として送り出すという役割を担うことから、「遣送(けんそう)の如来」とも呼ばれます。 また、この世に送り出された私たちに、様ざまな苦しみを乗り越える力を「薬」として与えることから、大医王仏とも呼ばれます。
イスムこだわりの造型
白毫
広めの額に配された白毫は、とりわけ目を引く大きさで白く輝く。
薬壺
万病に効能のある阿伽陀(あかだ)という霊薬が入るという薬壺。
表情
下から仰ぎ見ると一層の威厳を感じさせる、均整の取れた面持ち。
体躯
胸や腹のしっかりとした厚みが、安定感のある造形を作り出す。
円花文
衣の折り返し部いっぱいに散りばめられた円花文。
蓮弁
退色した繧繝彩色が残る蓮弁まで手彩色で再現。
抜苦の薬師、静謐な威容
面長の輪郭と切れ長の彫眼とが相まった威厳ある表情でありながら、苦しみを取り除く薬師如来らしいおだやかさも感じさせます。 彩色はほぼ補彩ながら、金箔と朱の対比が強い印象を与え、確かな存在感を放ちます。 光背も近世の補作ですが、台座はほぼ当時のもの。幾重にも塗り分けられた蓮弁まで、見どころの多い美仏です。
浄瑠璃寺×イスム プロジェクト
文化庁等による「紡ぐプロジェクト」2020年度の文化財修理助成事業の対象として、浄瑠璃寺の本尊 国宝「木造 阿弥陀如来坐像」(九体阿弥陀)が選定され、2022年度の完了を目指して現在修復作業が行われています。 これに伴い浄瑠璃寺では勧進を募っていることから、イスムは所蔵仏像の製品化を通じ、売上の一部を寄進することで文化継承事業に貢献してまいります。